たまには仕事の話を・・・

先日、篠ノ井で構造見学会を開かせていただいた物件の話です。


設計士さんは総勢20人くらいに来ていただき、個人住宅の見学会にしてはとてもお申し込みが多かったので驚きました。




やはり皆さん、今の住宅建築に疑問とか矛盾を感じておられる方が多く、

こんな住宅が増えればいいね、と、皆様にお褒めの言葉をいただき、嬉しい限りでした。

褒める・・・というよりも羨ましがられる、といったニュアンスのほうが正確かもしれません。



お施主さんが見学会の挨拶で言っていましたが、

「最初は高遠さんも私の望む事が”普通じゃないからこうしましょう”と提案をくれたりしていました。

でもその提案は私の望む事ではなく、結局私が押し切る形での場面が多かったと思います。

でも最近は高遠さんのほうが色々と乗り気に提案をしてくれ、ようやくわかってくれたかと思っています。」


・・・こんな事言われたらアタシの立つ瀬がないじゃないかあ、とか思いますが本当なので仕方ありません(^_^;)

当初僕の思う”普通”はやはり、工業製品に慣れきった考えだったように思います。

仮に僕の提案どおりに施工されてもそれなりにきちんとした建物になったと思います。

でもこんなに楽しくなかったかもしれません。

だから、途中で「頼りにならないから交代しろ!」と仰らずに僕と根気よくつきあって、場を提供してくださったお施主さんには頭が下がります。


自然のものを使う事、手をかけること、人を思いやる事、人の心を大事にする事・・・

そんな事も、学べる現場になっているように思います。

僕自身も貴重な経験だと思っていますし、なによりも現場にいる職人さんたちの顔が真剣で、楽しそうです。

やった事のない事(でも昔は行われていた事)なので現場でああでもないこうでもないと話しながら議論したりするのが楽しいんだと思います。




この建物は、「昔ながらの方法で家を建てたい」という所からスタートしています。

近年の住宅は確かに暖かいです。僕もそういう暖かい家を何件か設計させていただきました。

しかしこの家は昔ながらの方法でありながら、適度な暖かさが得られる住宅になっています。

その為に手間をかけるべきところはしっかりかけています。

そういうことはやはり、長生きしていらっしゃる職人さんのほうがよく知っていますから、現場でよく、そんな話を職人さんと打合せしています。


僕は設計士のはしくれのほうですから、「デザイン」なんてかっこいい事は、あまり得意じゃありませんが、

職人さんや、お施主さん、代人さん(現場監督の事)たちの気持ちを、「デザイン」(生かす)することが出来たら、と思います。

その気持ちが耐久性とか質に現れますから・・・。

決して目立たないけれども、何十年も経ってからわかるよさがそこにある、そんな仕事をしたいなと。



いつまでも愛されるモノを作る為に、僕らの職種があるんじゃないかと思います。

いつまでも愛されるモノ・・・を作るのは難しいですが、そういうものが世にもっと増えたら日本ももっと元気になる気がします。


高遠
 


2009年05月09日 Posted byカドケン at 18:21 │Comments(0)TrackBack(0)

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